住宅ローンも銀行の立派な融資です。
融資であるからには銀行はお金を貸し出す際には必ず審査を行います。
この審査に通らなければ住宅ローンの借り入れができません。
融資の審査は細かく言えばきりがありませんが、大きなポイントは2つです。
専門用語で「資金使途」と「返済原資」というものです。
これは企業向け融資も個人ローンも考え方は同じです。
企業向け融資、個人向け融資、それぞれ審査のポイントは異なります。
しかし、「資金使途」と「返済原資」の二つは融資においてすべてに当てはまる大原則なんです。
例えるなら、それぞれの融資のポイントを法律とすれば「資金使途」と「返済原資」は憲法のようなものです。
融資というものの大前提であり、この「資金使途」と「返済原資」をベースに多様な融資を審査するポイントが変わってきます。
この「資金使途」と「返済原資」を様々な角度から審査をして、この融資は大丈夫と判断して融資を行うんです。
では、「資金使途」と「返済原資」について、それぞれ見ていきましょう。
資金使途
「資金使途」とは融資されたお金を何に使うかということです。
公序良俗(こうじょりょうぞく)に反せず、その資金の使い道がその企業や個人の利益に資するかといったことを先ず審査します。
住宅ローンの場合、「資金使途」は、はっきりしています。
融資されたお金で住宅を取得するわけですから、「資金使途」は住宅の購入です。
住宅の購入ですから、その人の生活の利益になる案件ですので「資金使途」については全く問題ありません。
住宅ローンやマイカーローンといった個人向けローンは「資金使途」が明確ですので、金融機関はその部分の審査を問題視することはありません。
つまり、住宅ローンの審査のポイントは次に説明する「返済原資」に尽きるんです。
返済原資
「返済原資」とはその融資の返済を行うお金のことです。
わかりやすく言えば、何をもって融資を返済するか、また返済できるかを審査します。
住宅ローンの審査のポイントはこの1点に尽きます。
融資の返済を行うお金はその個人の収入です。
サラリーマンであれば給与や賞与、個人営業者であれば収入や所得です。
これが融資(住宅ローン)を返済できるかどうか審査されるんです。
私は銀行員時代、本部で融資の審査を担当したことがあります。
企業向け融資の審査が専門でしたが、住宅ローンの審査を手伝った経験もあります。
企業向け融資に比べ、住宅ローンの審査は簡単です。
なぜなら審査のポイントはその人が返せるか、返せないかを見るだけでいいからです。
土地、建物を担保に取って、その上保証会社の保証も付けているわけですから金融機関にとって、リスクの少ない融資なんです。
繰り返しますが、住宅ローンの審査は「その人が返せるか、返せないか」の審査です。
「その人が返せるか、返せないか」の基準の最も大切なものは収入、所得です。
しかし、それだけではありません。
収入、所得は充分でも、その人がきちんと返済できるかの信用性も審査されるんです。
住宅ローンの審査に落ちるにはわけがあります。
その内容をきちんと理解すれば、住宅ローンを申し込む際の対応も変わってきます。
では、次の章から具体的な住宅ローンの審査について見ていきましょう。