前のページで説明したように、住宅ローンを申し込む際は、金融機関の営業店窓口で申し込みをします。
家の近くだったり、勤務先の近くの金融機関の支店を訪ねるケースが多いのではないでしょうか。
金融機関の営業店窓口は大きく2つに分けられます。
1つは預金の出し入れや税金などの支払いを受け付ける営業窓口です。
こちらはハイカウンターといって顧客が立って取引を行うもので、高さの高いカウンターに防犯用の透明なスクリーンが設置してあるものです。
住宅ローンの申し込みは、その横にある融資窓口のローカウンターで行います。
ローカウンターとは顧客が椅子に座って相談や取引を行うもので、融資関係の話になると時間がかかるので顧客も座って対応できるように、カウンターが低く設置されています。
金融機関の支店に行けば、「ローンのご相談はこちら」などの案内が出ています。
そこで応対する担当が融資係と呼ばれる人です。
融資係はその支店で企業向け融資や個人向けのローンを専門に扱う担当です。
そこで住宅ローンの相談をするわけです。
住宅ローンについては金融機関が「チェックシート」や「ヒアリングシート」と呼ばれる確認事項に基づいてヒアリングを行います。
主な項目は次の通りです。
・氏名、生年月日
・勤務先(自営の場合はその業種や屋号)
・年収、所得
・勤続年数(自営の場合は営業年数)
・資産の状況(預貯金や有価証券、所有不動産など)
・家族構成(配偶者や家族に別途収入のある人がいるかどうか)
・購入を希望する物件の住所、土地面積(担保評価に利用)
・購入を希望する物件の価格
・頭金の有無(頭金があればその金額)
・借入希望金額
・希望返済期間
・他の借り入れの有無(自動車ローンやキャッシングなど)
ざっと、こんな感じでしょうか?
もちろん、金融機関によって違いはありますが概ねこんな感じだと思います。
ヒアリングした以上の情報をもとに、融資係の担当者はチェックシートを埋めていき、問題がないか確認するんです。
チェックシート上、何の問題もなければ住宅ローンの審査は十中八九大丈夫です。
チェックシートに引っ掛かるところがあれば、その点について再度説明を求められたりします。
実は住宅ローンのチェックシートって定型化されており、新人の女性融資係が作成したりします。
それほど単純化されているんです。
言い換えれば、チェックシートに問題のない人なら住宅ローンの審査は通るんです。
ただ、このチェックシートに何も問題がなかったという人は少ないです。
何がしかの問題点が出てきます。
その問題点をカバーできるものがあるか、総合的に判断することが住宅ローンの審査なんです。
口頭でのヒアリングが終わればその内容が真実である証明が必要になります。
この必要な書類を持参して金融機関に行けば、その場で申し込みは可能ですが、金融機関が要求する書類が揃わなければ、再度提出の必要があります。
提出を求められる書類は次のようなものです。
・身分証明書(運転免許証、健康保険証、パスポート、住民票など)
・自分の収入状況を証明できる書類(サラリーマンの場合は源泉徴収票、自営業の場合は確定申告書や所得証明書など⇒自営業の場合は複数年分の確定申告書や所得証明書を求められる場合があります)
・印鑑
・自動車ローンやキャッシングなど別の債務を抱えている場合は、その債務額がわかる書類
・見積書などの購入物件の金額がわかる書類
これらが揃った段階で住宅ローンの申し込みが受け付けられます。
そして、金融機関の審査が始まるんですが、実は住宅ローンの審査は2つの審査があるんです。
それは「事前審査(仮審査)」と「本審査」と呼ばれるものです。
ではそれぞれの審査について見ていきましょう。